有給休暇は会社が拒否できる?経営者が知っておきたいルールと対応方法
2026.05.01
お役立ち情報
従業員から有給休暇の申請があった場合、会社は拒否できるのでしょうか。
本記事では、有給休暇の基本ルールや時季変更権、企業が注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
有給休暇は原則として会社は拒否できない
従業員が一定期間勤務すると、法律上の権利として有給休暇が付与されます。
そのため、従業員から有給休暇の申請があった場合、会社は原則として取得を認めなければなりません。
「忙しいから」
「人手が足りないから」
という理由だけで取得を拒否することはできません。
有給休暇は会社の許可制度ではなく、従業員が取得を請求できる制度であることを理解しておくことが重要です。
会社が有給休暇の日程を変更できる「時季変更権」とは
例外として、会社には「時季変更権」が認められています。
これは、従業員が希望した日に休まれることで事業の正常な運営に支障が出る場合に、取得日を別の日へ変更してもらう制度です。
例えば、
- 同じ日に複数人が休む
- 代替要員の確保が難しい
- 業務上どうしても対応が必要な日である
といったケースが考えられます。
ただし、時季変更権は有給休暇そのものを認めない制度ではありません。
あくまで「別の日に取得してもらうための調整権」である点に注意が必要です。
有給休暇をめぐるよくある誤解
実務では次のような誤解が見られます。
理由を言わないと有給は取れない
有給休暇の取得理由を会社へ伝える義務は原則ありません。
私用や家庭の事情など、詳細な理由を説明しなくても取得できます。
退職前の有給消化は認めなくてよい
退職前であっても有給休暇を取得する権利はあります。
退職日までに消化できる場合、会社が一方的に拒否することは難しいケースがほとんどです。
人手不足なら拒否できる
慢性的な人手不足は、時季変更権の理由として認められない場合があります。
日頃から業務の属人化を防ぎ、休暇取得しやすい体制づくりが大切です。
トラブルを防ぐために会社がしておきたいこと
有給休暇に関するトラブルを防ぐためには、ルールを明確にしておくことが重要です。
例えば、
- 就業規則に申請方法を定める
- 早めの申請を促す
- 引継ぎルールを整備する
- 管理職へ制度を周知する
といった対応が考えられます。
有給休暇は従業員の権利ですが、事前に運用ルールを整えておくことで、会社と従業員の双方が安心して利用できる制度になります。
まとめ
有給休暇は従業員の権利であり、会社は原則として取得を拒否できません。
会社に認められているのは、事業運営に大きな支障がある場合の「時季変更権」のみです。
有給休暇をめぐるトラブルは、制度への誤解から生じることが少なくありません。
経営者や人事担当者は基本ルールを理解し、申請方法や運用ルールを整備しておくことが重要です。
そうすることで、従業員が安心して働ける職場づくりにもつながるでしょう。
