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キャリアアップ助成金とは

2024.12.01

助成金情報

キャリアアップ助成金とは

従業員を雇用している事業主がもらえる助成金には様々な種類がありますが、今回は申請数が多く、取り組みやすいキャリアアップ助成金について詳しく解説します。

 

1.キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金とは、厚生労働省による雇用関係助成金のひとつで、非正規雇用労働者のキャリアアップに取り組む事業主を支援する助成金です。

雇用関係助成金は、国庫負担による助成金ではなく雇用保険料の事業主負担分のうち「雇用保険二事業の保険料」でまかなわれています。

つまり、雇用保険に加入する企業から徴収した雇用保険料を、助成金の取り組みを行った企業に還元するというのが雇用関係助成金の仕組みです。

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者(有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者)のキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取り組みを行い、その取り組み内容によって6つのコースに分かれています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html

正社員化支援

正社員化コース

有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換又は直接雇用(正社員化後6ヶ月の賃金が正社員化前6ヶ月の賃金と比較して3%以上増額していること等の要件を満たすことが必要)

障害者正社員化コース

障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換

処遇改善支援

賃金規定等改定コース

有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を改定し3%以上増額

賃金規定等共通化コース

有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用

賞与・退職金制度導入コース

有期雇用労働者等を対象に賞与・退職金制度を導入し支給又は積立てを実施

社会保険適用時処遇改善コース(令和8年3月31日まで)

有期雇用労働者等を新たに社会保険に適用させるとともに、収入を増加させる(手当支給・賃上げ・労働時間延長)
または、週所定労働時間を延長し、社会保険に適用させる

 

事業主は、あらかじめ届け出たキャリアアップ計画に基づき、計画期間中に各コースに定められた要件を満たす取り組みを行います。

今回の記事では、雇用保険被保険者であるパート・アルバイトや契約社員などの非正規雇用労働者を6ヶ月以上雇用した後、正社員へ転換し処遇改善を行った場合に受給できる正社員化コースについて詳しく解説します。

 

2.正社員化コースの支給額

正社員化コースは、非正規雇用労働者の雇用形態が有期契約か無期契約かによって助成金額が変わります。

また、有期契約であっても更新により5年以上経過している場合は無期扱いとなるので、入社から5年以内の有期雇用労働者を正社員転換した場合にの額が受け取れます。(中小企業の場合の金額

有期→正規:80万円(40万円×2期)

無期→正規:40万円(20万円×2期)

 

3.対象となる事業主と労働者

助成金の申請対象となる事業主と対象労働者については細かく定められていますので、ここでは主なものを記載します。

事業主の要件

・雇用保険に加入している

・キャリアアップ管理者を配置し、キャリアアップ計画書を作成して労働局の認定を受けている

・キャリアアップ計画書に記載した計画期間内に正社員などに転換する

・正社員への転換制度を就業規則等に規定している

・対象になる労働者を正社員転換した後に6ヶ月以上継続して雇用し、転換前6か月間の賃金より3%以上増額している

・労働法令等を遵守し、労働保険料の未納がない

・対象従業員を正社員化した日の前日から起算して6か月前の日から1年を経過する日までの間に、当該正社員化を行った適用事業所において、雇用保険被保険者を解雇等事業主の都合により離職させていない

 

対象労働者の要件

・支給対象となる事業主に通算して6ヶ月以上雇用されている有期契約労働者

・支給対象となる事業主に6ヶ月以上雇用されている無期雇用労働者

・6ヶ月以上継続して同一の業務に従事している派遣労働者

・支給対象となる事業主が実施した有期実習型訓練を受講し、それを修了した有期契約労働者等

・正規雇用労働者として雇用することを約して雇い入れられた有期雇用労働者等でないこと

 

 

4.正社員化コースの支給申請までの流れ

キャリアアップ計画書を作成・労働局へ提出

キャリアアップ計画書の作成にあたっては、下記の5つの取り組みが必要です。

・事業所ごとにキャリアアップ管理者を選任する

・正社員への転換をいつ頃行うか、目標や目標を達成するための措置などを大まかに決める

・3年以上5年以内の計画期間を定める

・計画対象者、目標、期間、目標を達成するために事業主が行う取り組みなど

・労働者代表からの意見を聞く

キャリアアップ計画書は正社員転換を実施する前に労働局へ提出し、労働局長の認定を受けておく必要があります。

 

就業規則等の改正・届出

就業規則等に正社員転換の規定がない場合は、正社員等への転換制度を就業規則に記載し、労働基準監督署へ届出ます。

就業規則等の施行日(改正日)は正社員転換前である必要があります。

また令和4年10月以降は、非正規雇用労働者と正社員が異なる就業規則等を適用されていること、正規雇用労働者には「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」が適用されていることも要件に加わりました。就業規則等の改正にあたっては、これらの支給要件がクリアできる内容となるよう注意が必要です。

 

非正規雇用労働者を正社員転換する

就業規則の正社員転換規定に従い試験や面接を行い、正社員に転換して労働条件通知書(雇用契約書)を交付します。

また、転換後6か月間の賃金を転換前6か月間の賃金と比較して3%以上増額させる必要があります。

 

支給申請

転換後6ヶ月間雇用を継続し、6ヶ月分の賃金を支給した翌日から2ヶ月以内に労働局へ1期分の支給申請書類を提出します。

対象労働者が母子家庭の母や父子家庭の父の場合や、人材開発支援助成金の訓練終了後に転換した場合などはキャリアアップ助成金の加算対象となるため、各要件を満たしていることを確認する書類も添付する必要があります。

 

審査・支給決定

労働局の審査では、キャリアアップ助成金の支給要件の確認だけではなく、労働法令の違反がないかもチェックされます。

時間外手当を含む賃金の未払いがないか、雇用保険料の徴収額が合っているか、働き方が就業規則に沿っているか、出勤簿との整合性など細かく審査され、追加で資料の提出を求められることもあります。

申請から支給決定までは都道府県や申請時期にもよりますが概ね半年程度かかり、審査が終了すると支給決定通知書が交付され、助成金が振り込まれます。

2期分の申請は、正社員転換後12ヶ月間雇用を継続し、12ヶ月分の賃金を支給した翌日から2ヶ月以内に労働局へ支給申請書類を提出します。

 

5.東京都正規雇用等転換安定化支援助成金

東京都では正社員転換した労働者(キャリアアップ助成金の対象者)に対して、キャリアアップ研修や、指導育成の取組を行う事業主に対して最大98万円の助成金が交付される制度があります。

 

6.まとめ

キャリアアップ助成金の正社員化コースは受給がしやすく人気のある助成金ですが、令和4年度改正によって支給要件が厳格化されたため、就業規則等が受給するための項目をクリアしているかどうかをしっかり確認したうえで取り組む必要があります。

自社の就業規則の見直し、支給要件がクリアできているかの確認や申請書類作成代行など、是非お気軽に当法人へお問い合わせください。

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